起業の将来について語るときカラカニス氏の語ること

今回は、Tokyo 2.0にて披露された、ジェイソン・カラカニス氏のプレゼンテーション「起業の将来」についての私なりのまとめと考察です。カラカニス氏にお会い出来たことは、大変光栄なことでした。以下は、ビデオです。(9:10より)

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以下は逐語的引用ではなく、またナンバリングも確実に正確ではありません、つながりが曖昧なところもありますが、それでも説得力のある、素晴らしい内容であったことは感じていただけるかと思います。

カラカニス氏の語った内容

  1. 強力なブランドは、マーケットが不況の時に生み出されるものである。そういった時こそ大きなシェアを占有するチャンスであるからだ。市場の低迷期こそ人々が必要としているものを生み出すべき時で、ただ単に金儲けをしようと企んで起業する人間は成功しない。お金のない人間の方が、良い企業を興すことが出来る。彼らはお金でなく、情熱(パッション)によって起業しているからだ。

  2. 市場が低迷し、インターネットの利用は増加し、起業コストは低下しており、人々の自由時間は増加している。一言で言うと、市場低迷期は企業には最適である。

  3. 信頼と「キュレーション」が未来のキーとなる。1.0、2.0の時代に作られた多くのものは、匿名性、マーケッター、素性不定の人々という不安定な基礎の上に築き上げられている。これから先なすべきことは、既存のアイデアの上に信頼とキュレーションを加えていくことである。Diggは素晴らしいシステムであるが、匿名というその性質は改良の余地を残している。集団知(wisdom of crowds)などというものは存在しない。集団にトレンドやパターンは見いだせることはあっても、そこに知識は存在しない。集団知とは、シリコンバレーの人間が、頭の悪い人間をタダで働かせるために作り上げた単語に過ぎない。

  4. 生き残ることとは革新し続けることだ。優秀な企業とは、何年間も存在し続けられる企業である。不況に怯えている起業家がいるとしたら、お母さんの待つ家に帰って、その間にホンモノの起業家たちにマーケットシェアを横取りさせてしまえばいい。

私の意見

なにより、ここまで楽観的なものの見方をする方の話を聞くことができたのは、大変に良い経験でした。とりわけ、この業界に長くいて、嫌になるほどネガティブな意見を聞いてきているはずである同氏からこのような話を聞くことが出来たことをありがたく思っています。

  1. 賛成です。ブランドはパーソナリティであり、それを作った人間のパッションの上に成り立つものです。スティーブ・ジョブスでも、ビル・ゲイツでも、ヘンリー・フォードでも、ジェフ・ベゾスでも、企業のトップとはブランドを象徴し、またブランドを走らせるような存在です。しかし、情熱だけではなんともなりません。情熱の他に、巨大なマーケット、巨大なネットワーク、そして、最も重要なことには、生き残りのための堅実な手段が必要です。おっしゃる通り、テクノロジーは驚くほど安価になってきていますが、プログラミング、インタラクション・デザイン、マーケティングの十分なリソースなしには大手と戦うことなど出来るはずありません。巨人を倒すには、パッションを越えた何かが必要です。強靭な筋力、T3級の決断力、そしてあなたの為に働いてくれる人間のための十分な現金が。

  2. 2点目については完全に同感です。前に、同じようなことを申し上げたことがあります。道のりは簡単ではないにせよ、この経済低迷期はテック・カンパニーにとってはビッグチャンスなのです。なだれにのってをご覧下さい。

  3. 本サイト、FACTS(匿名コメント)、そしてDas Magazin(記名のみ)のコメントを見て私も痛感しておりますがWeb2.0の悪の根源は匿名性です。信頼を得るためには、透明性が必要です。つまり、実名のみでの参加ということです。 オンラインサービス界の現世代におけるスーパースター となった人々が皆、正体を明かして参加しているのは偶然などではありません。私は、この点について何度か指摘してまいりました。そしてその度に匿名ユーザの方々から酷評をいただいております。しかし、もう一度、そして最後の一言をいわせていただきます。名無し・偽名コメンテーターたちよ、大人になる時間です。

  4. 氏の4点目の指摘も非常に的を得た考察です。一つ付け加えさせていただくなら、もし、未だに少しの元手とちょっとしたトリックで一晩で大金持ちになれると考えている人がいるとすれば、その御仁にとって、今年はちょっとクジ運的に厳しい年になるだろうと言うことです。すべての優れたブランドは、オンラインでも、オフラインでも、大変な労力と、良い人脈、そして強力な運の上に成り立っているものですから。